雨宮由衣は庄司夏がまだそこに座って動かないのを見て、正義感たっぷりに催促した。「600円くらい大したことないでしょう?あなたの叔父さんなんて一分で億単位の取引してるのに何も言わないわよ!早く折って!」
そう言って、青い星形の折り紙の束の一つを渡した。
庄司夏は雨宮由衣の手の中でキラキラ光る星形の折り紙を見つめ、深いため息をついて、ゆっくりと受け取った。
一体何をしに来たんだろう……
一番上手に折れたのは庄司輝弥で、星の一つ一つの角が芸術品のように完璧だった。次が普通人レベルの雨宮由衣、最後が庄司夏の作品で、でこぼこで緩んでいた……
庄司輝弥はピンク色の折り紙を使い、庄司夏は青色、雨宮由衣は黄色を使って、三人で分担作業をし、150個全部折り終わると、雨宮由衣は即座に嬉しそうにウェイトレスを呼んだ。
「全部折り終わりました!」
「お嬢様、とても綺麗に折れていますね!」ウェイトレスはピンク色と黄色の二袋の星を見て思わず褒めたが、庄司夏の袋を見た時には明らかに顔が引きつった。
雨宮由衣も見るに堪えなかった。「この青い袋はちょっと酷いんですけど、使えますか?」
庄司夏は疲れた指をもみながら、雨宮由衣の言葉を聞いて顔を曇らせた。まさか自分の折った星を酷いと言うなんて!
ウェイトレスは軽く咳払いをして言った。「あー、大丈夫です。全て使用可能です。数が揃っていれば問題ありません。」
ウェイトレスがそう言うのを聞いて、庄司夏の表情が少し和らいだ。
せっかくこれだけ折ったのに使えないなんて言われたら、このお店を潰してやるところだった。
ウェイトレスが三袋の星を回収しようとした時、雨宮由衣は躊躇いながら手を引っ込めた。「ちょっと待って!」
「お嬢様、何かございますか?」ウェイトレスが尋ねた。
雨宮由衣は少し考えてから口を開いた。「150個で600円分なら、50個で200円分になりますよね?」
「はい、そうです。」
「じゃあ、こうしましょう……」雨宮由衣は庄司輝弥が折ったピンク色の星の袋を手元に残し、ウェイトレスを見て言った。「この袋は交換しないで、残りの二袋だけで400円分に交換してください!」
「かしこまりました!」ウェイトレスは言われた通り、残りの二袋だけを受け取った。