第556章 蛍火の光

庄司家の暗殺衛士会議室。

影流は黒い戦闘服を身にまとい、厳かな表情で議長席に座っていた。

会議室の周りには十数人が座っており、全員が庄司家暗殺衛士の部隊隊長たちだった。

「影流隊長、今回の試合まであと数日ですが、あの生意気な十一をしっかりと懲らしめてやってください！」がっしりとした体格の暗殺衛士部隊隊長が言った。

「ふん……」

影流は体を楽な姿勢に調整し、目を細めて言った。「三番、私のことは影流と呼べばいい。今の暗殺衛士総隊長は十一だ。」

「隊長、何を仰るのですか。十一は第一部隊の隊長の座さえ理解していないのに、あいつが隊長と総隊長の座を争うなんて笑わせるじゃありませんか？」第三暗殺衛士部隊隊長と呼ばれる者が冷ややかに言った。

傍らの者が口を開いた。「最近、十一は訓練室で必死に練習していて、めったに姿を見せないそうです。おそらく今回の争奪戦の準備をしているのでしょう。」

別の者がそれを聞いて冷笑した。「どんなに懸命に訓練したところで、影流隊長の目には所詮ゴキブリ同然、何の波風も立てられやしない。」

「そうそう……みなさんにニュースがあります。」第三暗殺衛士部隊隊長が笑いながら言った。「情報によると、十一は雨宮由衣を師として仰ぎ、武道の技を教わっているそうですよ。怖くないですか？」

三番の言葉が終わるや否や、会議室内に笑い声が響き渡った。

「十一はただのバカですよ。影流隊長が当主の面子を立てなければ、雨宮由衣なんて隊長の一撃で死んでいたはず。あんなやつがバーで威張り散らしているなんて。」

あの日のバーでの出来事を思い出し、影流の瞳に暗い影が浮かんだ。

あの女は、ただ力が強いだけ。俗物で平凡な女だ。いつも賢明で威厳のある当主が、なぜこんな飾り物のような女に心を奪われてしまったのか、理解できない！

こんな女が、どうして秋山若葉お嬢様と比べられるというのか？！

「影流隊長、十一は雨宮由衣に取り入って、枕元で当主に耳打ちさせようとしているのではないでしょうか……もし当主の心が軟化して……本当に十一を……」ある暗殺衛士部隊隊長が眉をしかめた。

貴大な庄司家暗殺衛士部隊が、こんな分別のない女に掻き乱されてたまるものか！