第53章 新しい弟子を取った

李玄は驚愕した。孟衝のやつ、一人で呉國全体の風紀を乱してしまったのだ。

しかも、彼の復讐の方法は、本当に斬新だった!

その発想は奇抜すぎて、普通の人には思いつかないだろう!

十萬両の黃金の懸賞金とは、石二たち天母教の信者が心を動かされるのも無理はない。まさに歩く金庫だ。

誰が見ても心が動くはずだ!

孟衝も少し呆然として、驚いて言った:「こんなにたくさんのことが起きたのか?それに、私が十萬両の黃金の価値があるとは?」

彼自身も心が動いて、自分を売り渡したい衝動に駆られた!

「そうだ、十萬両の黃金だ!」

石二は頷きながら、孟衝を小さな金の山を見るような目で見つめた。

ごくり!

孟衝は唾を飲み込み、額の汗を拭いながら言った:「協力しないか?」

「何だって?」

石二は一瞬呆然とした。協力?

「私を呉國のある縣衙に連行して、賞金の一部を受け取り、途中で私を奪還し、また別の縣衙に連れて行って、賞金を受け取り、また奪還する...これを繰り返すんだ...」

孟衝は目を輝かせながら続けた:「府城には連れて行かないでくれ。府城は危険すぎて、人を奪還するのが難しい。縣衙なら、県知事は功を立てて昇進したいがために、自腹を切ってでも賞金の一部を出すはずだ。

「吳皇様は私を凌遅刑に処すと言っているから、縣衙は絶対に私を殺さない。この計画は安全だと思う。

「賞金は四六で分けよう。私が四、お前たちが六だ。どうだ?」

石二たちは呆然となった。孟衝を見る目は驚きに満ちていた。さすがは吳皇様暗殺を企て、孟家が抄斬に遭うという、普通の人には思いつかないような復讐方法を考え出した男だ。

李玄は孟衝を見つめた。丸坊主で、がっしりとした体格、筋肉隆々の大男なのに、その発想は非常に独特だった。

呉國の縣衙から搾取しようというわけか?

普通の人には思いつかないような発想だ。

突然!

李玄の脳裏に閃きが走った。孟衝を見る目が変わった。こんな奇抜な発想を持つ者こそ、自分の弟子として相応しいのではないか?

この弟子は目の前にいるのだ!

そう考えると、身に纏う神秘的な雰囲気がより一層玄妙になっていった。絶世の高人としての姿が、一瞬にしてより一層高大になった。

手を伸ばして、孟衝の腕を掴んだ。