第65章 許炎が帰ってきた

許炎が戻ってきた。

大きな包みを背負って帰ってきたのだ。

「師匠、ただいま戻りました!」

許炎は包みを下ろし、恭しく礼をした。

「うむ、うむ、戻ってきてよかった!」

李玄は頷いて言った。

「さあ、こちらがお前の師弟の孟衝だ。孟衝、こちらがお前の先輩の許炎だ!」

李玄は孟衝を呼び寄せた。

「先輩、よろしくお願いします!」

孟衝は恭しく礼をした。

「いや、気にするな!」

許炎は礼を返しながら、心の中で驚いていた。師匠が弟子を取ったとは!

「師弟よ、これは先輩からの初対面の贈り物だ!」

師弟ができたからには、先輩として何か贈り物をするべきだろう。

許炎は包みの中から、大刀を取り出した。

「これは...ありがとうございます、先輩!」

孟衝は丸坊主の頭を撫でながら、素直に大刀を受け取った。

手に取るとずしりと重く、少し鞘から抜いてみると、たちまち喜色満面となった。

この刀は、並のものではないようだ!

李玄の表情が微かに動いた。あの刀は普通の鋼鉄の刃物とは違うようだ。

「弟子よ、その刀はどこで手に入れた?」

「師匠、皇宮の宝庫で手に入れたものです。これらすべて皇宮の宝庫から持ってきたものです。」

許炎は興奮して笑いながら、包みを開けた。寶藥、書画、寶玉などの珍しい寶物が出てきた。

「師匠、これらは弟子が師匠のために持ってきた贈り物です!」

「心遣いありがとう!」

弟子がこれほど孝行であることに、李玄は心が温まった。

しかし、これらのものは、もはやそれほど価値を感じなくなっていた。

結局のところ、武者となってからは、心構えも視野も変わってしまったのだ。

孟衝は羨ましそうな顔で見ながら、心の中で呟いた。「先輩は皇宮から師匠への贈り物を持ってきたのに、私は入門してからまだ何も贈り物をしていない。

武道が上達したら、呉國に戻って、吳皇様から十萬両の黃金を取り、ついでに宝庫も覗いてみよう。何か良いものがないかもしれない!」

李玄は椅子に座り、許炎に事の経緯を尋ねた。許炎は一部始終を詳しく語った。

「斉皇老人が、意外と良い人だったとは思いませんでした。」

最後に、許炎はにやにや笑いながら言った。