「ちょっと待って、最後の質問が...」
焦のやつの不機嫌そうな表情を見ながら、林逸は勇気を振り絞って尋ねた。
「言え」
焦のやつは素っ気なく言った。
「あなたは一体何者なんですか?あなたの師叔祖は何者なんですか?」
林逸は心の中の好奇心を抑えきれなかった。
「私は当然、焦のやつだ。すでに言っただろう」
焦のやつは淡々と言った。「私の師叔祖は、もちろん非常に凄い人物だ。だが、お前が知る必要はない。お前とは何の関係もないし、運良く彼が暇つぶしに残した修練の秘伝書と玉の護符を拾ったからといって、彼の弟子になれると思うな。それは不可能だ!」
「えっと...」
林逸は焦のやつの『そんな夢を見るな』という表情を見て、心の中で戸惑った。
この焦のやつは先ほどまで素っ気ない態度だったが、今のような態度ではなかったはずだ。自分が彼を怒らせてしまったのか?
しかし、林逸は少し考えて、焦のやつが何故不機嫌なのかを理解した!
秘伝書を残した人物が彼の師叔祖なら、自分がその人物に師事すれば、当然焦のやつの長老となる。彼が不機嫌になるのも当然だ。
そう考えて、林逸は笑って言った。「もちろんそんなつもりはありません。師事するなら、焦老人にお願いしたいと思います!」
「ふむ...お前も分かってるようだな!」
焦のやつは林逸の言葉を聞いて、やっと顔に笑みを浮かべた。「そんなに誠意を見せるなら、しばらくの間、お前を試してみようじゃないか」
「ふふ」
林逸は微笑んだ。焦のやつの思惑は見透かしていたが、それを指摘するつもりはなかった。すぐに修練の姿勢を整え、空間の地面に座り込んだ。
焦のやつが師叔祖のことについて口を閉ざすなら、自分も追及する必要はない。話すべきことは自然と話してくれるだろうし、話すべきでないことを聞いても無駄だ。
突然、膨大なエネルギーが四方八方から林逸の体内に流れ込んできた。この予期せぬ現象に、林逸は驚愕した!
真気の濃い山林でも、エネルギーの吸収は都会より速いが、これほどではない!
まるで障壁もなく無尽蔵のように、林逸は一瞬で体が爆発しそうな感覚に襲われ、すぐさま修練のペースを落とした。
「はぁ...」
林逸は近くで嘲笑うような表情を浮かべる焦のやつを見て、少し困惑した。