学校に戻り、高校三年九組の前を通りかかった時、康曉波は扉のガラス越しに中を覗き込んだ。
しばらく見ていたが、唐韻が教室にいるかどうかは分からず、首がキリンのように伸びてしまいそうになったところで、林逸に引っ張り戻された。「もういいだろう。九組の担任に見つかったら大変なことになるぞ」
「あ...」
康曉波はようやく首を引っ込めた。「唐韻が戻ってきているかどうか気になるな」
「お前、彼女に chance があると思ってるのか?」
林逸は康曉波の様子を見て、容赦なく尋ねた。
「ないね!」
康曉波は自分のことをよく分かっているようで、きっぱりと首を振った。
「ないなら見る必要もないだろう。時間の無駄だ」
林逸は彼の後頭部を軽く叩いた。「真面目に勉強しろよ。大学に受からなかったらどうするんだ!」