第0117章 漢方医の泰斗

「えっ?」

宋凌珊は一瞬驚き、すぐに顔を曇らせた。尊敬する楊隊長までもがこんなにゴシップに興味を持っているとは思わなかった!

印象では、楊懷軍は几帳面で嚴肅な人物だったのに、まさかこんな世間話のような質問をするなんて!

この数日間、警察署内での噂を宋凌珊は聞いていなかったわけではない。ただ、説明のしようがなかっただけだ!

このような事は、説明すればするほど疑われるのは明らかだった。病院での出来事は、目のある人が見れば誤解するに決まっている。だから他人の口は止められないし、宋凌珊にもどうしようもなく、ただ彼らの好きなように言わせるしかなかった。しばらくすれば、この騒ぎも収まるだろう。

しかし楊懷軍が突然尋ねてきたので、宋凌珊は本当にどう説明していいか分からなくなった:「楊隊長...私は...」

「ふふ、警察には恋愛の制限はないからね、それはあなたの自由だ...」

楊懷軍は宋凌珊の躊躇いを見て、彼女が恥ずかしがっているのだと思い、笑いながらそれ以上は何も言わなかった。

林逸のことについては、彼が評価する立場ではない。以前興奮したのも、ただ凝ちゃんのために抗議しただけだ。しかし林逸は彼らの部隊の靈魂であり、永遠に自分の隊長なのだ!

「楊隊長...」

宋凌珊は言葉を失った。

「ふふ、でも林逸に手伝ってもらえば、すぐに容疑者を捕まえられるかもしれないね...」

この言葉を言い終わると、楊懷軍は少し後悔した...鷹よ、すまない、君を裏切ってしまった...

しかし宋凌珊と林逸の関係を考えると、楊懷軍も納得した。

もし宋凌珊と林逸が本当に噂されているような関係になっているのなら、鷹の性格からして、宋凌珊を助けないはずがない...

「彼が?容疑者を捕まえる?」

宋凌珊が驚いている間に、楊懷軍は電話を切ってしまった。

宋凌珊は歯ぎしりするほど腹が立った。林逸のバカ!私の評判を台無しにして...

とはいえ、宋凌珊はただ心の中で恨みを抱くだけで、すぐに警察力を配置し、楊懷軍の分析に従って、男性の遺体が発見された現場周辺の大規模な捜索を開始した...

一方、楊懷軍は電話を切った後、急いで松山市醫科薬科大學へと車を走らせた。