林逸が突然そんなことを言い出したので、唐韻は少し戸惑ってしまった。林逸が露店を出していた?
さっき見かけた時、スポーツカーで来ていたはずなのに?
どうして露店なんかを出すの?
それに、今は自分と同じ高校生で、在学中の学生なのに、どうして結婚できるの?
妻が妊娠してるって?
唐韻は目をこすった。この二日間疲れすぎて、それにこの林逸があまりにも腹立たしいから、幻覚を見てしまったのかしら?
そうでなければ、どうしてこんな場所で林逸に会えるはずがない?
でも、どう考えても、さっきの人が林逸かどうかに関わらず、唐韻はその人が腹立たしく思えた!
自分が先に目をつけたワンピースなのに、値段の交渉も終わらないうちに、先に買われてしまうなんて、本当に許せない!
唐韻は悔しそうに俯きながら、屋台通りの方向へ歩いていった。やっと決心して新しい服を買いに来たのに…