第106章 誰があなたにあげるって言った?

林逸が突然そんなことを言い出したので、唐韻は少し戸惑ってしまった。林逸が露店を出していた?

さっき見かけた時、スポーツカーで来ていたはずなのに?

どうして露店なんかを出すの?

それに、今は自分と同じ高校生で、在学中の学生なのに、どうして結婚できるの?

妻が妊娠してるって?

唐韻は目をこすった。この二日間疲れすぎて、それにこの林逸があまりにも腹立たしいから、幻覚を見てしまったのかしら?

そうでなければ、どうしてこんな場所で林逸に会えるはずがない?

でも、どう考えても、さっきの人が林逸かどうかに関わらず、唐韻はその人が腹立たしく思えた!

自分が先に目をつけたワンピースなのに、値段の交渉も終わらないうちに、先に買われてしまうなんて、本当に許せない!

唐韻は悔しそうに俯きながら、屋台通りの方向へ歩いていった。やっと決心して新しい服を買いに来たのに…