第0115章 花に触れ草に惹かれることを禁ず

「はい、すぐに向かいます……」

宋凌珊の心が沈んだ。容疑者の首謀者を見つけたのは、本来なら喜ばしいことのはずだが、宋凌珊は今、どうしても喜べなかった!

なぜなら、見つかったのは生きている人間ではなく、死体だったからだ!

これは事件の背後にまだ隠された事実があることを意味していた。このハゲさんは口封じのために殺されたのかもしれない。

そうなると、事件はさらに複雑になり、真の黒幕を見つけるのは至難の業となるだろう!

頭が痛くなるような思いだったが、宋凌珊はすぐに人を集めて現場へ向かった……

「瑤瑤お姉さん、どうしたの?」

陳雨舒も楚夢瑤の様子がおかしいことに気づいた。顔色が悪そうだった。

最初は楚おじさんがいるから、おとなしくしているのかと思ったが、しばらくすると、そうではないようだと気づいた。

「なんでもないわ……」

楚夢瑤は首を振った。林逸の女好きな行動に腹を立てていたが、親友に対して嫉妬するわけにはいかないだろう?

「ねぇ、昨日のキノコの天ぷらって今日の料理より美味しかったと思わない?」

陳雨舒は頷きながら、突然尋ねた。

「……」

楚夢瑤は言葉を失ったが、陳雨舒に笑わされてしまった。「舒ちゃんは屋台の運命ね……将来、結婚したら、あなたの旦那さんは節約で死にそうね……」

「ふふふ、私が結婚するなら、あなたも結婚するでしょ?それにそれはあなたのためにお金を節約することになるのよ……」

陳雨舒は楚夢瑤をからかうように見て、にこにこと言った。

「私のため……え?」

楚夢瑤は突然顔を赤らめ、陳雨舒が何を言っているのか理解すると、思わず陳雨舒を軽く叩いた。「子供の頃の約束なのに、まだそんなこと言うの?」

「ふふふ、子供の頃の約束だけど、指切りげんまんしたんだよ!」

陳雨舒がそう言うと、彼女も少し顔を赤らめ、横目で林逸を見た。楚おじさんは本当に林逸を婿にする気なのだろうか?

「もう話さない!」

楚夢瑤は落ち着かない表情で顔をそむけた……

陳雨舒が言及した子供の頃の出来事は、二人だけの小さな秘密で、他の誰にも話したことがなかった。でも二人が大きくなってからも、時々この話題で冗談を言い合っていた。