第0204章 とても陰険

第一ラウンドは、楚夢瑤が先に隠れ、陳雨舒が探す番だった。

ルールに従って、陳雨舒は一階の共同トイレに入り、ドアを閉めて出てはいけない。楚夢瑤が携帯電話を振動させて隠れ終わったことを知らせるまで、彼女は外に出て探すことができない。

「ふふ、瑤瑤お姉さん、今夜は告白の準備をしておいてね、ガハハ……」陳雨舒はトイレの中で悪巧みの笑いを漏らした。彼女はこの鬼ごっこゲームを提案する前に、すでに絶好の隠れ場所を見つけていた。楚夢瑤がすぐには見つけられないと確信していた。

だから陳雨舒は勝利を確信し、このような強力な賭けを提案した。自分が必ず勝ち、楚夢瑤が必ず負けると思っていたからだ。

しばらく待つと、陳雨舒の携帯電話が振動した。楚夢瑤の番号を確認すると、陳雨舒は電話を切り、トイレから出た。

トイレを出た陳雨舒は、すぐに楚夢瑤の隠れ場所を探しに行くのではなく、リビングに立って観察を始めた。これは楚夢瑤の家だが、陳雨舒は14歳からよく楚夢瑤の家に住んでいたので、このヴィラについては、もう知り尽くしていた。

楚夢瑤の隠れ場所は、きっと普通の場所ではないだろうし、部屋の隅っこでもないはずだ！なぜなら、彼女が知っている隅は陳雨舒も知っているし、陳雨舒は必ずそれらの場所を一つずつ探すだろうから。

だから楚夢瑤の考えを逆推理すると、陳雨舒はむしろそれらの隅を探しに行く急ぎはなかった。楚夢瑤もそこに隠れて自分に見つけられるのを待っているはずがない。

林逸の部屋のドアを見て、陳雨舒の口元に狡猾な笑みが浮かんだ。

以前コンサートを見ていた時、林逸の部屋のドアは半開きだった。陳雨舒は特に林逸の部屋を見ようとしたわけではなく、アローさんへの「告白」について話していた時に、少し気まずくなって無意識に林逸の部屋を見たので、その時に林逸の部屋のドアの様子を覚えていた。

しかし今、林逸の部屋のドアは完全に閉まっていた。楚夢瑤が部屋に隠れていないなら、どこに隠れているのだろう？

陳雨舒はそっと林逸の部屋のドアまで行き、突然ドアを開けて、にこにこしながら言った：「瑤瑤お姉さん、出ておいで、もう見つけたよ！」

そう言った後、陳雨舒は勝利を確信したような様子で、楚夢瑤が部屋から出てくるのを待った。しかし、いくら待っても楚夢瑤が部屋から出てこないので、陳雨舒はついに焦り始めた……