第0246章 絶好の人選

そしてこの孫靜怡は、宋凌珊よりもさらに厄介なようだ。少なくとも宋凌珊は比較的率直だが、孫靜怡は人を騙すのが上手すぎる……

孫靜怡は林逸の言葉を聞いて、すぐに激怒した。どれだけの人が列を作って自分の問題を解決しようとしているか、例えば呉臣天なんかは、自分が相手にしなかったのに、自ら林逸を頼りに来たのに、それでも私が厄介だと？

「いいわよ、どうせ私は気にしないから、これからは何かあったらあなたを頼るわ」孫靜怡は駄々をこね始めた。

林逸はもう何も言わなかった。頼りたければ頼ればいい、俺が来るかどうかはその時の気分次第だ。

孫靜怡に学校の裏手にある屋台街で降ろしてもらい、彼女の車が完全に去ってから、林逸は学校に戻った。

……………………

松山市の拘置所の指定病院で、弁護士の付き添いのもと、鍾品亮は黒豹兄に会った。

「黒豹兄！」鍾品亮は全身包帯だらけの姿を見て思わず動揺した。黒豹兄がこんな状態にされるとは？

黒豹は悲しげに笑った。彼も自分が黃級後期の極致の実力を持ちながら、打ち負かされ、経絡を断ち切られ、今は人とも幽霊ともつかない状態で、病床に横たわり生きているのが辛いとは思わなかった。

黒豹は今身体に問題があるため、拘置所ではなく、病室には弁護士以外に警察の人間はいなかった。

このくらいのことは、鐘發白でも解決できることで、黒豹と単独で会うことも難しいことではなかった。

「鍾少爺、来てくれたか……」黒豹は鍾品亮を見て、顔に暗い影が過った。「私は油断しすぎた。あの林逸がこれほど強いとは思わなかった。彼は私と同じく、すでに黃級後期の極致の実力に達している……」

「何？彼が黃級後期の極致の実力に達しているだって？」鐘發白は驚き、信じられないような顔で黒豹を見た。「黒豹、それは本当なのか？」

「社長、こんなことで嘘をつく必要がありますか？」黒豹は苦笑して言った。「だから、社長、鍾少爺、絶対的な自信がない限り、林逸に手を出さない方がいい。あなたたちは彼の相手ではない……」

黒豹の言葉は耳障りが良くなかったが、忠言逆耳という道理を鐘發白は理解し、鍾品亮も分かっていた。彼らは確かに林逸の相手ではない！