第0280章 友達だ！

福おじさんの説明と父親の慰めを聞いて、楚夢瑤は以前ほど心配しなくなったが、まったく緊張していないというわけではなかった。

家に帰ってから、楚夢瑤はどこか落ち着かない様子だった。結局のところ、幼い頃から一緒に育った親友、本当の親友なのだ！心配しないわけがない。そして、あの林逸という奴も、危険な目に遭っていないか分からない。普段は少し嫌な奴だが、楚夢瑤は彼に何かあってほしくはなかった。

なぜかと言えば、楚夢瑤自身もはっきりとは分からなかったが、おそらく林逸は自分の従業員だからだろう、自分は彼に何かあってほしくないのだ。

しかし、楚夢瑤が心配していたのもつかの間、林逸と陳雨舒はすぐに無事に戻ってきた。劉王力が車で送り届けてくれたのだ。宋凌珊は警察署に戻ると、林逸と陳雨舒を護送する任務を劉王力に任せ、自分は林逸から遠ざかった！

手に負えないなら、避ければいい！刑事隊長が林逸のためにサメを運ぶ車を運転するなんて、宋凌珊はそんなことをしたくなかった。

劉王力は特に気にせず、交通警察から貨物車を借りて、サメを載せて林逸と陳雨舒を別荘区まで送り届けた。正直なところ、劉王力は林逸をかなり尊敬していた。警察署の女暴龍・宋凌珊を落とせるなんて、並の人間ではないからだ！

「舒ちゃん、大丈夫だった？本当に良かった！」楚夢瑤は陳雨舒が無事に戻ってきたのを見て、とても興奮し、両腕を広げて陳雨舒と抱き合った。

「瑤瑤お姉さん、私は大丈夫だよ、むしろ楽しかったくらい！」陳雨舒は楚夢瑤のような感覚はなかった。楚夢瑤は心配で胸が張り裂けそうだったが、陳雨舒はサメの肉を腹いっぱい食べ、砂遊びもして、楽しい土曜日を過ごしたのだった。

林逸はサメを担ぎながら、抱き合う二人の女の子を見て首を振った。そこまでする必要があるのか？海に落ちて戻ってきただけでこんなに興奮するなら、以前の自分と楊懷軍たちは毎日抱き合わなければならなかっただろう……

楚夢瑤は陳雨舒を抱いた後、ようやく傍らの林逸に目を向けた。心の中では少し心配していたが、表面上は何も表さず、何気なく慰めの言葉をかけようとしたが、突然林逸の肩に担がれているサメを見て、思わず「あれ？」と声を上げた。「林逸、あなたが担いでいるのは何？」