第92章 黎明神殿

このゲームダンジョンでは、時刻はすでに夕暮れに近づいており、齊明が化身したゲームキャラクターは東方の伝道師様であった。

見ると。

ゲーム画面の中で。

齊明が化身したゲームキャラクターは青衣道服を纏い、払子を手に持ち、表情は穏やかで、眼差しには一片の波風もなく、顔を上げて目の前の「黎明神殿」を見つめていた。

神殿は高く壮麗で、金碧輝煌として、輝きを放ち、都市の中心に鎮座し、多くの信徒たちが行き交い、彼らは信仰心が堅く、神の言葉を信奉していた。

夕暮れ時。

黃昏の光が大地を照らし、目の前の神殿に黄色い光の層を染め付け、影を落とし、その影の中で……

怪異な囁きが現れる。

狰狞な触手、蠢く肉塊、悲鳴を上げる顔、絶望の悲鳴……

「黎明神殿。」

齊明はゲームの光景を眺め、ゲーム内のキャラクターが「黎明神殿」に入るのを見つめ、それらの怪異なものも目にした。夜が近づいてきたため、神殿の教徒たちは次々と去っていった。

実際のところ。

このゲームダンジョンの世界では、世界の規則は混沌としているが、秩序もあり、混沌と秩序が共存し、互いに融合している。

例えるならば。

一例を挙げると。

光明神様と闇の神様は同一の神様なのだ。

しかし。

信徒たちと教義の中では。

彼らはそうは考えていない。彼らは光明神様と闇の神様は対立する、まったく異なる二つの真神様だと信じている。

だが世界の真実はそうではない。

そのため。

世界の真実が神々の信徒たちの前に現れた時、信徒たちの信仰は崩壊し、それによって体内の超常の力が制御を失い、直接堕落して、混沌の怪物郷と化してしまう。

今。

黎明神殿の中でそのような「瀆神儀式」が起きている。

殿堂の中。

威厳ある黎明神様の彫像が齊明の目に入った。金光燦然として、黃昏の光に照らされ、より一層絢爛として、神の言葉の威厳を帯び、人々に跪拝させるほどであった。

彫像の前。

白髪の老人が跪いていた。彼は両膝をつき、彫像の足元に伏せており、最も謙虚で最も狂熱的な信徒のようであった。

彼は一生を通じて黎明神様を信奉してきた。

そして。

この老人は黎明神殿の大教主の神の衣を着ていた。

彼こそが「人神の世界」であった。

この世界の超常の力の中で。

最高序列に属する存在だ。