以前から、萧塵と秦修傑を比較する人がいた。
今、二人が遂に対面し、その場の雰囲気は最高潮に達した。
「秦修傑先輩が萧塵に獻酒してるよ。二人は恋敵のはずじゃないの?」
秦修傑は凌筱竹に一途な想いを寄せており、萧塵も凌筱竹のために絵を描いて一時期話題になった。皆は二人が水と油のように相容れないと思っていた。
しかし意外にも、秦修傑が積極的に萧塵に好意を示したのだ。
「お前らには分からないよ、これこそが度量というものだ!」
「私もそう思う。修傑先輩と萧塵は恋敵だけど、公平に競争できないわけじゃないでしょう。敵同士になる必要はないわ」
「こんな修傑先輩に拍手!」
会場は拍手喝采で、秦修傑と萧塵の和解を望む声が上がった。
しかし萧塵は終始酒杯を上げる気配もなく、ただ淡々とした目で秦修傑を見つめていた。