第100章 水は船を浮かべることもできれば沈めることもできる!

「平さん!」

薛峰と趙南の二人は抑えきれずに震え、恐怖の色を露わにした。

袁志平の実力は彼らがよく知っていた。幼い頃から先天宗師について内勁を修練し、若い世代の中でも傑出した存在だった。

実力だけで言えば、江少秋でさえ袁志平の相手ではなかった。

普段、彼らが一緒にいる時にトラブルが起きても、いつも袁志平が解決していた。

しかし、一見何の変哲もない萧塵がこれほどの実力を隠していて、袁志平を完全に圧倒するとは思いもよらなかった。

なるほど、趙狼たちが彼を「先生」と呼び、敬意を払うわけだ。

「萧塵、随分と大胆だな!」

薛峰は恐怖を押し殺し、怒りを込めて叫んだ:

「平さんは少秋の親友だけじゃない。袁家は江家のパートナーでもある。お前が彼を傷つけた結果がどうなるか、分かってるのか?」