第119章 蝶千舞!

梁家に着くと、萧塵は一人の老人に会った。

老人の顔には死気が漂い、腰が曲がり、髪も髭も白く、歩くのもおぼつかない様子だった。

誰かが支えていなければ、いつ倒れてもおかしくない状態だった。

このような状態では、誰も彼を強大な真元境の強者とは結びつけないだろう。

しかし実際には、彼は紛れもない真元境の強者であり、ただ修為が何らかの力によって抑制され、発揮できないだけだった。

「老いぼれの梁安瀾でございます!」

老人は梁宏に支えられながら萧塵に挨拶をし、言葉も少し不明瞭だった。

「あなたの状態はかなり悪い、無理する必要はありません」と萧塵は首を振って言った。

「実は公子の丹藥を服用してから、老いぼれの体はずいぶんよくなりました」と梁安瀾は表情を緩めて言った。

傍らの梁宏も言った。「父はこれまでずっと寝たきりでしたが、この二日間公子の丹藥を服用してから、少し元気を取り戻し、もう歩けるようになりました」

萧塵は梁安瀾をしばらく観察してから、言った。「まずは邪気を取り除きましょう」

梁安瀾の状態は、早めに治療しなければ、長くは持たないだろう。

梁宏はそれを聞いて喜んで言った。「公子、何か準備する必要はございますか?」

萧塵は首を振った。「必要ありません。それほど複雑な過程ではありません。皆さん外に出てください」

「はい、はい、皆外に出て、公子の邪魔をしないように!」

「師匠、外で待っています!」

曹雁雪も自然に部屋を出た。

……

約半刻後、萧塵と梁安瀾は部屋から出てきた。

皆は驚いた。今の梁安瀾は少し虚弱ではあるものの、血色が良く、先ほどとは別人のようだった。

「父上、もう大丈夫なのですか?」

梁宏は信じられない様子だった。これほど長く彼らを悩ませていた病が、萧塵はわずか半刻で簡単に解決してしまったのだ。

「はっはっは...大丈夫だ大丈夫、今は三十歳も若返ったような気分だ!」

梁安瀾は声高らかに笑い、声に力が満ちていた。

やはり、彼は底力のある真元境の強者で、実力は梁川をも上回っていた。

ただ以前は体内のあの黒い気によって功力が抑制され、普通の人よりも虚弱になっていただけだった。

今やその黒い気が萧塵によって取り除かれ、彼の力が源となって湧き出てきた。