第53章 私の妹を娶りたいのか？

洪震杰の顔に笑みが浮かび、青雨から視線を外し、滕雲龍と滕青山へと目を向けた。

「白馬営に入るなんて、馬賊団になるようなものじゃないか？」滕永湘は眉をひそめ、声を潜めて言った。

滕雲龍は心配そうに、隣の滕青山を見た。「青山、どうすればいい？」

「この白馬営は、そう簡単には追い払えないぞ」滕青山は考え込んだ。

滕家莊の族人たちが議論を交わしているその時。

「多くの者が白馬営に入りたいと夢見ているんだ。これは貴重な機会だぞ」洪震杰の側にいた騎兵が、鎧を着ていない十二人の屈強な男たちを指さして言った。「見ろ、この十二人の兄弟たちは、先ほど回った五つの村から選ばれた者たちだ！どの村からも白馬営に加わる者が出ている。お前たち滕家莊も、例外にはならないだろうな！」

その言葉に込められた脅しの意図を、滕青山たちは明確に感じ取った。

「若頭！」滕雲龍は拱手し、大声で言った。「我が滕家莊の男たちは、一族を離れたくないのです。滕家莊は…」

「黙れ！」発言していた騎兵が怒鳴り、乗っていた軍馬を数歩前進させ、手にした長槍を突き出した。

「ふん！」

滕青山は片手で槍の柄を掴み、騎兵を見上げた。「白馬営の兄弟よ、今日我が滕家莊から誰かが白馬営に加わるかどうかは別として、私の外祖父は滕氏一族の族長だ。お前如きが手出しできる相手ではない。今日、族長に指一本でも触れれば、我が滕氏一族は、お前をこの門から生かして出さないぞ」

「爺さんに手を出すなんて、死にたいのか」滕青虎も怒鳴った。

「我が滕家莊を甘く見るなよ！」

「てめえを生きたまま八つ裂きにしてやる！」

滕家莊の男たちは皆、武器を手に取り、目に殺気を宿らせ、一触即発の様相を呈していた。

「貴様…」その騎兵は必死に長槍を二度引っ張ったが、滕青山の手の中で槍は微動だにしなかった。突然、滕青山が手を放すと、騎兵は後ろに大きく揺れ、馬から落ちそうになり、手綱を掴んでようやく体勢を立て直した。かなり狼狽な様子だった。

滕青山は冷たい目で彼を見つめた。