第24章 担任教師の授業

「何だって？」李偉は葉錯を見つめた。「他の人も傷つけたのか？」

葉錯は冷笑いを浮かべた。「あの人とちょっとした冗談を交わしただけだよ。善意でね。李先生が昔僕を教育してくれたように、善意だったでしょう？」

李偉の唇が震えた。「葉錯君、蘇雅さんが味方についているからって、調子に乗るんじゃない。蘇雅さんは優しい子だけど、君に利用されたりはしないよ」

李偉は「利用」という言葉を特に強調して、蘇雅に警告を与えようとした。

しかし、蘇雅は並外れた知力の持ち主で、彼の意図を見抜かないはずがなかった。蘇雅は彼の言葉に反応せず、こう言った。「李先生、男子生徒同士の喧嘩は普通のことです。今回は誰も怪我していません。実際、葉錯君は上着で手を包んでいたので、加減していたことは明らかです。この生徒たちは浪人生なのに、わざわざ私たちのクラスまで来て葉錯君を探しに来たのですから、主な責任は明らかでしょう」

李偉は躊躇いながら、邱明海を見た。

彼は邱明海が白小樓の取り巻きだということを知っていた。白小樓といえば四大公子の筆頭で、その家の勢力は一般人には想像もつかないほどだった。

李偉は邱明海に取り入ろうとして葉錯に賠償を要求していたが、今の蘇雅の言葉で、普段なら強引に押し通すような彼も、言い訳を見つけられなくなった。

おまけに、蘇雅が彼の弱みを握っているため、無理強いもできず、ただ呆然と邱明海を見つめ、その意向を伺うしかなかった。

教師がここまで落ちぶれるとは、本当に情けない限りだった。

李偉が葉錯を処罰したいが自分のナイトクラブ通いがバレるのを恐れ、かといって邱明海を助けないと白小樓の報復が怖いと悩んでいるところに、太った男が近づいてきた。

「劉部長！」李偉はその太った男を見るなり、飛び上がらんばかりに喜び、葉錯を見る目つきも以前の険しさを取り戻し、彼を睨みつけた。「劉部長が来たぞ、この不良学生、まだ調子に乗れるかな！」

劉さんは李偉を無視し、葉錯を上から下まで観察してから、邱明海たちを見て、何か考え込むような目つきで、葉錯たちに言った。「もうすぐ授業が始まるから、みんな教室に戻りなさい。葉錯君は放課後に私の事務室に来てください。少し話があります」

邱明海はこの言葉を聞いて、すぐに焦った。