授業の終わりを告げるベルが鳴り、学校中が騒がしくなった。
しかし、3年2組の教室では、ほとんどの生徒が外に出ようとしなかった。
他の学年のクラスの生徒たちが、この教室の前を通りかかっては、好奇心に駆られて中を覗き込んでいた。
3年2組の生徒の一人が教室を出ると、すぐに周りの生徒に止められ、質問攻めにあった。その生徒が理由を説明すると、たちまち学校中が沸き立った。
「えっ?葉錯?先週、蘇雅に告白したあのダサい奴?」
「マジかよ、最近調子に乗ってんな。頭おかしくなったんじゃないの?」
「ショックで参っちゃったんだろう。この前、全校生徒の前で告白して、もっとひどい罰を受けたんだぜ。あいつの家、貧乏だって聞いたし。今回こんな賭けに出たのは、もう学校にいられないと思って、最後の意地を見せようとしたんだろう。」
「そうだろうな。男気はあるけど、成績がダメだからな。もし勝てたら面白いんだけどな。」
「そうだな、結果が見られないのが残念だ。」
「大丈夫、次の休み時間に、あいつの机がどこに移動されたか見に来ればいい。きっと廊下で見かけることになるだろうな。」
「そうだな、ハハハハ、面白いな。廊下で授業を受けるなんて初めて見るよ。妹も同じ学校にいるんだろ?兄が廊下で授業を受けてるの見たら、恥ずかしくて死にたくなるだろうな。」
「シーッ!妹の話はするな。あいつ今日は怒ってるぞ。朝、妹に手を出す奴がいたら容赦しないって言ってたんだ。朝、高校2年の奴が血を吐くまで蹴られたんだぞ。劉さんが何故か今日は葉錯を庇わなかったら、大事になってたはずだ!」
……
10分間の休み時間はあっという間に過ぎた。
チャイムが鳴り、李偉は黒板いっぱいの問題を見ながら、意気揚々と教壇に立ち、残忍な笑みを浮かべた。
今回の監督は、単なる監督ではなく、完全な監視だった。
こんな状態で葉錯がカンニングできるはずがないと確信していたので、不合格は間違いないと思っていた。
「では、第一問の答えは...Aか?」李偉は突然顔色を変えた。
「わぁ!」教室から小さな驚きの声が上がった。黒板に書かれた葉錯の答えは、確かにAだった。