第37章 洗濯を手伝います

「え？口笛？」林輕雪はふと思い出した。ネット上では多くの下劣な男たちが、女性に口でサービスをさせることを好み、それを「フルート」や「ラッパ」などと呼んでいた。もしかして葉錯は自分を誘惑しようとしているのか？

林輕雪は怒りに燃えた。ざまあみろ、びっくりしたでしょう！と心の中で思った。

すると葉錯が続けて言った。「僕、口笛が吹けないんです。吹いてもらえませんか？小さい頃、おしっこが出なくなった時は、母が横で口笛を吹いてくれたんです。」

林輕雪は一瞬固まった。彼の言う口笛は、本当に純粋な口笛のことだったの？

林輕雪は考え込んで、少し顔を赤らめた。まさか男性のためにこんなことをするなんて。もし「林輕雪が葉錯のために口笛を吹いた」なんて噂が広まったら、どう聞いても変な意味に取られて、恥ずかしくて死にそうだ。でも考え直してみれば、自分が突然彼を驚かせなければ、こんなことにはならなかったはず。

林輕雪は口を尖らせて、何度か吹いてみたが、ほとんど音が出なかった。葉錯は少し焦って「雪ねえさん、口笛吹けるの？」

林輕雪は不機嫌そうに「今頑張ってるでしょ」と言いながら、息を溜めて一気に吹いた。すると葉錯の体が震え、すぐに解放された。

……

山を下りながら、二人は気まずくて何を話していいかわからなかった。

最後に、林輕雪は咳払いをして「あの...大丈夫？」と聞いた。

葉錯は憂鬱そうな顔をして「わからないけど、もうダメかも。これじゃ結婚できないよ。うちは男の子が僕一人なのに、家系が途絶えちゃう」

林輕雪は唇を噛んで「そんなに深刻？変なこと言わないで。結婚できなかったら、私が責任取るわ」

葉錯は泣き顔で「どうやって責任取るの？見つからなかったら僕と結婚してくれるの？」

林輕雪は思わず「見つからなかったら結婚してあげる」と言ってしまった。

葉錯は黙って彼女を見つめた。林輕雪は突然、また騙されたことに気付いた。彼女が葉錯を殴ろうとした時、葉錯は既に頭を抱えて「雪ねえさん、許して！」と言いながら笑って逃げ出した。

この子ったら！林輕雪は鼻を歪めるほど怒った。こんな風にからかわれたのは初めてで、一日で二回も葉錯と結婚すると言ってしまった。