第114章 血殺の毒狼

葉錯は右手を払うと、弦月のように湾曲した飛び刀が手に握られていた。冷たい刃は、彼の心のようだった。

その男は一発撃ったが、葉錯に命中せず、明らかに驚いた様子だったが、追撃はせず、建物の中へ退きながら、傍らの二人に言った。「このガキを始末しろ。」

葉錯は壁の後ろに隠れ、先ほどの銃声を分析した。「グロック17拳銃か?この銃はアメリカの警察がよく使用するもので、国内では54式拳銃が一般的だ。グロック17は珍しい。この腕の立つ男は外国から来たのか?」

考えが及ばないうちに、横から二人の覆面の人が飛び降りてきた。一人がトルコ語で罵った。「くそっ、このガキめ、首をへし折ってやる。」

その男は身長が二メートル近く、葉錯に向かって拳を繰り出した。葉錯は避けもせず、同じように拳を打ち返した。龍神の功を極めた者は、体は蛟竜のごとく、動きは雷のごとく、素手で弾丸を掴むのも容易い技だ。この程度の拳など恐れることはない。