劉さんと寮監は、顔を腫らした高校生たちを引っ張って、寮を出て行った。
後ろでは、群衆から歓声が上がり、人混みに隠れていた張天哲は、怯えて端に縮こまり、こっそりと逃げ出した。
葉錯はそれを見たが、微笑むだけで何も言わなかった。張天哲は今や道化者となり、もはや波風を立てることはできないだろう。
葉錯は秦浩たち数人の生徒を連れて寮を出ようとすると、廊下の人々は一斉に通路を空けた。
秦浩と先ほど殴られた数人の生徒たちは、来た時は震えて足がすくんでいたが、今では恐れる気持ちは全くなかった。葉錯と一緒なら、どこへでも行けるような気がした。
今日以降、葉錯の名は再び雲海中學校で広まることになるだろう。ただし今回は、前回の告白のように、嫉妬や嘲笑の的になるのではない。今日から全ての人が、学校に新しいボスが現れたことを理解するだろう。