葉錯は暫く走り続け、前方が突然開けて、巨大な部屋が現れた。部屋の中は空っぽで、ただ一つの巨大な石棺が置かれているだけだった。
光が暗すぎて詳しく見る余裕もなく、彼は抱えていた女性を地面に降ろし、手を伸ばして布包みを取り出した。布包みには牛の毛ほどの細い金針が数十本刺さっていた。
葉錯は風のように素早く、一瞬のうちにその女性の数十箇所の経穴に金針を刺していった。
ミチコは大きな目を瞬かせながら「お兄ちゃん、何をしているの?」と尋ねた。
「お兄ちゃんは彼女の病気を治療しているんだよ」と葉錯は答えた。
この女性は、体のあちこちに重傷を負い、精神も崩壊寸前で、生命力は既に非常に脆弱な状態だった。彼女を死なせないために、葉錯はまず彼女を眠らせて刺激を避け、その後数本の針で生命力を活性化させることにした。これは将来的に寿命を縮める可能性があるが、今ここで死ぬよりはましだった。