第146章 高校入試の後

葉錯は南宮焰を見つめ、笑いながら言った。「あなたの言うことには全く興味がありません。ただし、南宮竹幽は私の患者です。私が彼女を治療した後で殺すのは勝手ですが、今はまだ治療が終わっていません。もし今、彼女を殺してしまえば、私の無能さが世間に知れ渡ることになります。あなたの家族に伝えてください。私の手から彼女を殺せるかどうか、試してみればいい」

「若造、生意気な！」南宮焰は言った。「五毒筋弛緩散に対処できたからといって、天下無敵だと思うなよ。古武門閥の底力は、お前の想像を超えているんだ」

葉錯は冷笑を浮かべた。

南宮焰は葉錯を見つめ、先ほど自分が鬼門関をさまよった経験を思い出し、身震いした。これほど濃密な殺気を自在に操れる者に出会ったのは初めてだった。

彼は葉錯に頼みごとがあったため、自然と声のトーンを和らげて言った。「君は毎日彼女たちを守ることはできないし、私も家族に逆らうことはできない。君が脅しに屈する人間でないことは分かっているし、私もそうだ。だから率直に条件を話し合おうじゃないか？」

葉錯は眉を少し上げ、彼を見つめながら、口角に微笑みを浮かべた。「あなたたちの言う古武門閥が出せるものなど、私は欲しくありませんよ！」

南宮焰の表情が変わり、何か言おうとした時、葉錯は手を振って言った。「でも今回は協力してあげましょう。あなたが何か条件を出せるからではなく、あなたが私から見て、良い兄だと思えるからです」

葉錯は笑いながら、彼の肩を軽く叩いて出て行った。

南宮焰は葉錯が去ってずいぶん経ってから、いつの間にか自分の服が汗で濡れていることに気付いた。

彼は脱力したように椅子に座り、葉錯の去っていく背中を見つめながら、この少年の正体について密かに推測を巡らせた。

……

学校に戻った葉錯は、数日間学業に没頭した。数日後、大学入試が始まり、三年間の高校生活が終わろうとしていた。

葉錯は特別な記憶トレーニング法を持っていたため、文系科目の暗記は心配していなかった。理系では化学も心配なかったが、数学と物理だけは少し自信が持てなかった。

二日間の試験が終わり、みんなクラクラしていて、成績を心配していた。ただ蘇雅と葉錯だけは元気そうで、何事もなかったかのようだった。