第171章 言邪

二人はそれぞれ飴細工を一つずつ持っていた。葉錯が口を開けて噛もうとしたとき、蘇雅はそれを見て「あらっ」と声を上げ、手を伸ばして葉錯の手から飴細工を奪い取った。

「この二つは一対なのよ。どうして一つだけ食べようとするの?残りの一つが寂しくなっちゃうわ」蘇雅は二つの飴細工を自分の手に持った。

葉錯は呆れた様子で言った。「買ったのは食べるためじゃないのか?それなら二つとも俺が食べて、二つとも俺のお腹の中で一緒にいられるようにしようか」

「ふん!」蘇雅は飴細工を背中に隠し、「あげないわよ。食べることしか考えてないんだから」

蘇雅はそう言いながら、突然目を輝かせ、道端のアクセサリーを売る小さな露店に目をやり、そちらへ歩いていった。

この露店では安価な小物ばかりが売られていた。ブレスレットやイヤリングなどで、作りはそれほど精巧ではなかった。蘇雅は普段あまり高価なものを身につけず、服もいくつかしか持っていなかったが、それでも彼女の家庭環境が比較的裕福であることは見て取れた。