「葉錯!」蘇雅は恐怖に震えて叫んだ、その声には絶望が満ちていた。
白小樓が銃を発射した瞬間、葉錯は急に振り返り、手を振り上げると、回転する刃の光が飛び出した。
「チン」という鋭い音がして、その回転する刃の光は、空中で奇跡的に弾丸と衝突した。
刃の光と弾丸は共に軌道を外れた。葉錯の飛び刀には內勁が込められていたが、それでも銃の威力には及ばず、弾丸はわずかに方向を変えただけで、依然として葉錯に向かって飛んできた。
実際、この一瞬の時間は葉錯にとって十分だった。彼は体を横に傾けるだけで、刃の光と弾丸は体をかすめて通り過ぎるはずだった。
しかし蘇雅が彼の後ろにいた。葉錯が避ければ、この一発は間違いなく蘇雅に当たるだろう。
「バン」、葉錯は避けることなく、弾丸は飛び刀によって軌道を外れ、葉錯の肩に命中した。葉錯の体は震え、数歩後退して地面に倒れた。肩には三日月形の飛び刀が突き刺さっていた。