「扶蘇よ、下がりなさい。なぜこうなったのか、よく考えてみなさい。理解できたらまた私のところに来なさい」秦せんせいは秦扶蘇に少し不満げな様子を見せた。
秦扶蘇は頭を下げ、黙り込んでいた。明らかに彼の心の中では、正しいものは正しく、間違っているものは間違っている。彼は燕少爺が罰せられないことを受け入れられず、これが燕家への妥協のように感じていた。
秦せんせいは出て行く秦扶蘇の背中を見つめ、目に決然とした光を宿して葉錯に向かって言った。「扶蘇は小さい頃から何も経験していないから、臨機応変さを知らない。この点では、お前の方が彼よりずっと優れている」
葉錯はむしろ秦扶蘇を敬意を持って見つめ、振り返って笑いながら秦せんせいに言った。「秦せんせい、私に原則がないと直接おっしゃればいいのに。私は秦扶蘇が帝王家に生まれながらも初心を失わないのは、かなり素晴らしいことだと思います。結局、この世界には自分の心の中の底線を守る人が何人か必要ですからね。少し愚かに見えるかもしれませんが、可愛らしい愚かさです」