第273章 罰

護……護国の英雄?

その場にいた全員が一瞬固まり、心の中でこの言葉を繰り返さずにはいられなかった。

その場で、葉錯だけが心の中で「くそったれ」と思った。苦労して隠し通してきたのに、一瞬で暴露されてしまった。

葉錯は顔を上げてその少女を見て、心の中で思わず一言浮かんだ:異能力者?

だから私を見つけられたのか!

異能力者とは、非常に特殊な集団だ。

葉錯は前世でも何人かと接触したことがある。

異能力者と古武道修行者の違いは、古武道は日々の積み重ねによる修行が必要で、気力を凝縮し、体を鍛え、家を建てるように少しずつ積み上げ、毎日の努力によって強大な力を成し遂げることだ。

しかし異能力者は生まれつきのものだ!

葉錯が前世で接触した数人の異能力者は、皆幼少期に異能力に目覚めていた。能力は千差万別だが、修行する必要はなく、彼らの能力は生まれながらに備わっていた。

唯一の欠点は、異能力者は通常一つの異能力しか持たず、二つ目に目覚める人はごくわずかだということだ。

そしてこれらの異能力は千差万別で、威力の大きいものもあれば、笑えるほど小さいものもある。

例えば葉錯が前世で知っていた異能力者の一人は、未来の5秒間を予測する能力を持っていた。

しかし、これはかなり使い道が限られていた。5秒という時間は短すぎて、何かあっても反応する時間がない。

ただ、後に葉錯はこの男にLOLをプレイして、プロゲーマーになることを提案した。

案の定、彼は一流のプレイヤーになった。

基本的に他人が彼を奇襲しようとしても不可能だった。5秒あれば逃げるどころか反撃さえできたからだ。

目の前のこの少女の、異常なほど明るく輝く瞳は、一目見て普通の人間のものではないとわかった。

葉錯は心の中で、彼女は過去か未来の映像を見ることができるのだろうと推測した。だから自分が昨夜黒獄傭兵団を倒した人物だと確信していたのだ。

どれだけ計算しても、異能力者の出現は計算外だった。これでは葉錯が丹念に証拠を消した行為も時間の無駄になってしまう。

葉錯の心中は本当に最悪だった。

そして葉錯以上に落ち込んでいたのは蕭劍天だった。

彼は先ほど自信満々に推理し、自分でも信じるほど話し、葉錯も認めていた。もう少し頑張れば、蘇雅も信じてくれるはずだった。