第13章 人が呆気に取られた!

「お前は蘇乘羽というダメ人間にそこまで尽くすのか。こんな状況でも、まだ彼のために頼み込むとは。あの役立たずに、一体何がいいというんだ?」

陳俊は険しい表情を浮かべた。幼い頃から彼は蘇乘羽を妬んでいた。運の良い蘇乘羽を妬んでいた。何の取り柄もない、口の利けない廃人なのに、良い暮らしをしているのを。

一方、自分は家が貧しすぎて、ゴミを拾い、粗末な食事をし、仲間たちにいじめられていた。

そして蘇乘羽という口の利けない奴は、祖父が金持ちというだけで誰も手出しできない。納得がいかなかった。いつか必ず取って代わってやる、蘇乘羽の持っているものすべてを奪ってやると密かに誓った。

「まあいい。お前たち兄妹の仲が良いなら、蘇乘羽がお前を宝物のように可愛がっているなら、彼の目の前でお前を辱めてやろう。彼の妻を奪っただけでなく、幼い頃から可愛がってきた妹までも、俺のものにしてやる!」