第20章 符を描く

何年も前、蘇北溟は陳伯勇に言っていた。彼には財運がなく、無理に求めてはいけない。もし強引に財運を変えれば、必ず報いを受けることになると。

しかしその時の陳伯勇は貧乏に疲れ果て、そんなことは気にも留めず、蘇北溟に指南を懇願し、どんな報いも引き受けると誓った。

十数年が過ぎ、陳伯勇は順風満帆で、事業も日々発展していった。彼は報いのことなど忘れ去り、自分が成功を収めたのは、運が良く、十分努力したからだと思い込み、実際には蘇北溟とは何の関係もないと考えていた。

しかし今になって考えると、陳家の跡継ぎが絶えるというのが、その報いなのだろう。

陳伯勇は手術同意書にサインをし、医師はすぐに陳俊の手術の準備に取り掛かった。

「いやだ!父さん、手術なんてしたくない。こんなの納得できない!」

陳俊はベッドで悲痛な叫び声を上げ、この現実を受け入れられなかった。

「誰がお前をこんな目に遭わせたんだ。言ってみろ。父さんが必ず仇を討ってやる。一体誰だ、陳家の根幹を断ち切り、我が家の血筋を絶やすなんて。千刀万断にしてやる。」

陳伯勇は陳俊の手を掴み、怒りに燃えて言った。

子孫の血筋を絶やされる仇、これは決して許せない。陳伯勇はどうしてもこの怒りを飲み込むことができなかった。

「蘇乘羽です。」

「何だって?!蘇乘羽?なぜあいつが!あいつは役立たずじゃなかったのか?」陳伯勇は驚愕して言った。

「最初は僕も、あいつがまだ昔と同じ力なしの役立たずだと思っていました。でも刑務所で過ごした三年間で、すごい腕前を身につけていたんです。孫豹と配下の五人も皆殺しにされ、僕も、あいつの手にかかって死にかけました。」

陳俊が廃工場での出来事を話すと、陳伯勇も驚きを隠せなかった。

「蘇北溟が死んだから、あの口の利けない孫は頼る者もない役立たずだと思っていたのに、まさか孫豹まで殺せるとは。だが心配するな。今どれほどの腕前を持っていようと、必ず殺してやる。我が陳家の血筋を絶やすなど、天帝でも許さん!」

陳伯勇は歯ぎしりしながら、復讐を誓った。

「うちの血筋が絶えるなら、蘇家も子孫の血を絶やしてやる!」

蘇乘羽は蘇笑笑とホテルに戻った。

「お兄ちゃん、許南枝さんって姜毒婦の叔母さんじゃないの?どうして私たちを助けてくれたの?」