蘇乘羽はまるで大きな山のように姜家の頭上に圧し掛かり、姜家を押しつぶそうとしていた。そんな中、龍魂司が突然蘇乘羽を逮捕したことは、姜家にとって峰が回り道が開けたような、この上ない喜びだった。
「どうして彼が龍魂司に捕まったんだ?」姜志誠は驚いて言った。
「聞いてなかったの?彼が龍魂司使を傷つけたのよ。この罪は一般人が警察官を襲撃するのと同じか、それ以上の重罪よ。少なくとも何年も刑務所に入ることになるわ」
姜語嫣は手を叩いて喜んだ。蘇乘羽に対して、彼女は後悔と恐れ、そして憎しみを感じていた。
彼女は自分と蘇乘羽の間には、永遠に和解の余地がないことをよく分かっていた。だから蘇乘羽を毀滅させることこそが最善の策だった。
「傲慢な態度を取るから、こうなるのよ!少し武術を学んだだけで、自分は無敵だと思い込んで、当然の報いだわ!」
姜志誠もほっと胸を撫で下ろし、他人の不幸を喜んでいた。
徐陵山は急いで周朝明に電話をかけ、状況を説明した。周朝明は龍魂司が蘇乘羽を逮捕したと聞いて、大いに驚いた。
「周さん、あなたは私より官界での人脈が広いですから、何か方法を考えていただけませんか?」徐陵山は言った。
「龍魂司が動いた以上、これは難しい案件だ!市の指導部に頼んでも無駄だろう!龍魂司は独立部門で、彼らの管轄外なんだ。蘇さんは今回、大変な目に遭いそうだ」
周朝明はため息をつき、龍魂司が関わる案件は、霖江龍魂司の大司馬を知っている者でなければ、誰に頼んでも無駄だと説明した。
そして龍魂司という部門は、周朝明が接触できる範囲を超えており、まるで別世界の存在だった。
「これは...蘇さんが捕まってしまったら、私の息子の病気はどうなるんでしょう?」徐陵山は悲しげな表情を浮かべた。
「兄弟、これも運命なのかもしれない。受け入れるしかないよ」
周朝明もただ同情を示し、徐陵山を慰めることしかできなかった。
蘇乘羽は車に押し込まれた後、車は直接霖江龍魂司の司部へと向かった。
龍魂司が突然逮捕に動いたことは、実は蘇乘羽の予想の範囲内だった。結局のところ、華展堂を傷つけた以上、心の狭い華展堂が必ず報復してくるだろうと。
これらの問題は、蘇乘羽が華展堂と戦いを始めた時点で、すでに考慮済みだった。