第103章 策が裏目に出る

「聖使様がわざわざお越しになる必要はございません。尋問室の監視カメラを開けば、ここで尋問の様子をご覧いただけます」と石剣鋒は言った。

葉青瓷が冷たい目で見つめると、石剣鋒は背筋が凍る思いで急いで言った。「聖使様、どうぞ」

尋問室には、蘇乘羽と華展堂しかいなかった。

華展堂は尋問室に入るとすぐに監視カメラを切り、曾一凡ともう一人の龍魂司使も察して退室した。

「蘇乘羽、結局お前は俺の手に落ちたな」華展堂は冷笑を浮かべて言った。

「お前の手?切られたんじゃなかったのか?」蘇乘羽は目を開き、淡々と言った。

華展堂の笑みが凍りつき、憎しみを込めて言った。「確かに、お前には敵わない!だがそれがどうした?実力が全てじゃない。俺には師門も龍魂司という後ろ盾もある。お前には何がある?何もないだろう。俺に勝ったところで命を落とすだけだ。抵抗できるのか?」

「そんな皮肉を言うくらいしかできないのか。ここで俺を殺すつもりか?」と蘇乘羽は言った。

「殺すなんて生易しいことじゃない。お前の武術を奪い、経脈を壊して、完全な廃人にしてやる。這いずり回って生きていくんだな」

華展堂は傲慢だった。今や蘇乘羽は捕らえられ、好き放題できると思っていた。

「恩人にこんな仕打ちをする、まさに恩を仇で返す、大逆不道の輩だな。お前のような者が龍魂司に務めているとは、龍魂司もたかが知れているということか」

蘇乘羽は元々龍魂司を敬意を持って見ていたが、今では所謂龍魂司に失望を感じていた。

「お前如きが龍魂司を評価する資格があるのか?何様のつもりだ。今やお前は囚人に過ぎない。よくもそんな口が利けるな。愚かにも程がある」

華展堂は蘇乘羽を罵倒しながら、彼の側に歩み寄り、足を上げて蘇乘羽の首に乗せ、蘇乘羽の頭を目の前の鉄板に強く打ち付けた。

「何が偉そうだ?今こうしてお前の犬の頭を踏みつけているのに、何か文句があるのか?」華展堂は傲慢に嘲笑った。

「華展堂、死に急いでいるようだな」

蘇乘羽は華展堂も龍魂司も恐れてはいなかった。華展堂を傷つけた時から、対策は考えていた。

彼の最大の切り札は、現在の実力ではなく、修真者としての身分だった。

今の世では、武道は栄えているが、修真者は鳳毛麟角だった。霊気が乏しく、修真者の才能も極めて稀少で、入道の門戸すら数百万人に一人しか通れない。