実際、蘇乗羽はこのような面倒事に首を突っ込みたくなかった。もしこの男が単に徐陵山の仇敵で、徐陵山に復讐を求めているだけなら、蘇乗羽は絶対に介入しなかっただろう。
しかし彼が入ってきた時、床にはまだ四体の死体があり、その中の一人はレストランの従業員だった。このような無辜の民を殺戮する行為に対して、蘇乗羽は目撃した以上、見過ごすわけにはいかなかった。
「蘇さん、私のことは構わないでください。彼は私の仇で、とても強いんです。あなたは彼の相手になりません!」
徐陵山は蘇乗羽も嚴烔に殺されることを恐れていた。彼は蘇乗羽の医術が神がかっていることは知っていたが、蘇乗羽の本当の強さが医術ではないことを知らなかった。
「相手になれるかどうかは、戦ってみなければわからない。」
蘇乗羽が一歩一歩近づいてくると、嚴烔は冷笑して言った。「小僧、死にたいというなら望み通りにしてやろう。覚えておけ、俺様は嚴烔だ。閻魔様のところに行ったら、俺様の名前を忘れるなよ!」
嚴烔はすぐに徐陵山を殺すことを急がず、短刀を持って蘇乗羽に向かって歩いてきた。
蘇乗羽は嚴烔の身から発する殺気を感じ取ることができた。この種の殺気は、数え切れないほどの戦いを経験し、手に血を染めた者だけが持つものだった。
このような生死の戦いを潜り抜けてきた者は、その実力は同じレベルの者よりも常に優れているものだ。
しかし、たかが七品、どれほど強くても、蘇乗羽の目に入るものではなかった。
「蘇さん、早く逃げてください。私のために命を無駄にしないでください。」徐陵山が叫んだ。
嚴烔の手にある短刀が突き出され、その速さは極めて速かった。嚴烔が短刀の使用に非常に長けていることは明らかで、短刀を翻す様は寒光を放ち、すでに極めて熟練の域に達していた。
蘇乗羽は素手であったため、対応にやや制限があり、身法術を駆使して嚴烔の攻撃を避けていた。
二人が数合交わし、拳と掌が衝突する中、嚴烔はやはり七品に過ぎず、蘇乗羽の力に耐えきれず、一掌で弾き飛ばされ、その圧倒的な力で腕が痺れた。
嚴烔は手を振りながら言った。「まさか高手だったとは!」
嚴烔が再び攻めてくると、蘇乗羽は既に彼の攻撃パターンを把握していた。短刀が顔前に迫った時、蘇乗羽は右手を伸ばし、嚴烔の手首をかすめた。