第203章 林初雪は罠にかかる

蘇乘羽は再び霊力を使って、許南枝の体内のがん細胞を殲滅した。今回も、彼は多くの霊力を消費した。何度か殲滅を繰り返すうちに、許南枝の体内のがん細胞はより強靭になり、蘇乘羽の霊力に対して一定の抵抗力を持つようになったようだ。

このままでは、許南枝の病気はますます治療が難しくなるだろう。蘇乘羽は今、許南枝の体にこのような奇妙な現象がなぜ起きているのか理解できなかった。

治療が終わると、許南枝は蘇乘羽が汗だくで顔色が少し青白いのを見て、彼女の治療に大きな消耗があったことを理解した。

許南枝は唇を動かし、言いかけては止め、最後には「ゆっくり休んでね、私は先に帰るわ」とだけ言った。

許南枝が去った後、蘇乘羽は聚霊丹を一粒飲んで霊力を回復させた。彼は表情を厳しくした。許南枝の体の奇妙な症状は、彼にとって厄介で頭の痛い問題だった。

蘇乘羽は再び炉を開いて丹術を行い、いくつかの聚霊丹を作って身につけた。さらに、彼はいくつかの封颜丹も作った。

封颜丹と聚霊丹はどちらも取引に使える。これらの丹薬は蘇乘羽にとってはそれほど貴重ではないが、一般の人々にとっては、まさに霊丹妙薬だった。

封颜丹がひとたび出回れば、美を愛する女性たちの間で必ず争奪戦が起きるだろう。この丹薬は、どんな美容製品よりも効果があり、副作用もなく、永遠の若さを保つことはできないが、美容や肌の若返り、しわの軽減、肌質の改善など、美容効果は市場のどんな製品をも圧倒するものだ。

そして聚霊丹は、蘇乘羽にとっては霊力を回復させるだけだが、一般の人が服用すれば、病気を治し、寿命を延ばし、体を強くすることができる。

練武の人にとっては、さらに実力を高めることができる。この丹薬は一般人でも武人でも、争って欲しがるだろう。

ただ、蘇乘羽はまだこれらの丹薬をどのように市場に出すか決めていなかった。少なくとも直接出すことはできない。そうすれば簡単に目をつけられ、修真者としての身分がばれてしまう。

この件は、白い手袋(代理人)を見つけて行うのが最善だ。蘇乘羽は裏に隠れ、利益を受け取るだけでいい。

本来なら林家が最適だった。林家には製薬会社があり、病院があり、医薬品の流通経路がある。林家に丹薬を流通させれば、疑いを持たれることもないだろう。