方明がこのように時機を得て来たのは、方晴と曾一凡のおかげだった。
方晴は龍魂司で石剣鋒に追い出された後、すぐに方鎮海に電話をかけ、蘇乘羽を救うよう頼んだ。
方鎮海はどれほどの身分であろうとも、蘇乘羽のような無名の若者のために出て行き、龍魂司の事に干渉するはずがなかった。しかし、方晴の粘り強い懇願に抗えず、さらに方晴は父親に嘘をついて、すでに蘇乘羽と一生を誓い、蘇乘羽の子を宿していると言った。
方鎮海は非常に怒ったが、結局は自分の愛娘のことなので、最終的に蘇乘羽を守るために出ることを約束した。
方晴は方鎮海が出て行っても、電話一本で済まされ、蘇乘羽が霖江龍魂司に閉じ込められている状況で、石剣鋒が何か策を弄するのではないかと心配し、兄の方明にも電話をかけ、霖江に来てくれるよう頼んだ。