許南枝は蘇乘羽を洪鎮亭の地下室に連れて行き、地下室の重厚な防犯ドアを指さして言った。「このドアの暗証番号は洪鎮亭と任千重しか知らないんだけど、開ける方法はある?」
「まずは中に何か良いものがあるか見てみよう」
蘇乘羽の神力が防犯ドアを通り抜け、洪鎮亭のコレクションルームを探索した。中の空間はとても広く、確かに許南枝が言った通り、洪鎮亭はコレクションが好きだった。
彼のコレクションルームには、骨董品や玉器、陶磁器、書画があり、これらはどれも価値の高いものだった。それらに加えて、洪鎮亭は多くの良酒も収集しており、さらにコレクションルーム内の家具の一部も、収集価値の高いものだった。
蘇乘羽はこれらのものに興味がなく、神力でコレクションルームの棚に薬材を発見した。人參、紫烏藤、霊芝など、これらはすべて蘇乘羽が丹術に必要とする薬材だった。
蘇乘羽の顔に喜色が浮かび、洪鎮亭のコレクションにかなり満足した様子で、すぐに一撃でコレクションルームの重厚な防犯ドアを開けた。
「洪鎮亭は私に大きな贈り物を残してくれたな」
蘇乘羽はこれらの薬材を一つずつ取り出した。ここにある薬材と、彼が以前に貯蔵していたものを合わせれば、もう一炉の天元丹を調合するのに十分だった。さらに黒鱗蟒の蛇膽もあるため、天元丹の品質はさらに高く、薬効も良くなり、一気に煉気境第七層に到達するチャンスが十分にあった。
「この霊芝、すごく大きいわね。ここにあるすべての薬材の中で最も品質が良いんじゃないかしら」
許南枝は霊芝を手に取って言った。
蘇乘羽はそれを受け取って一目見て言った。「この霊芝は少なくとも二百年の年月があるが、残念ながら、すでに霊韻を失っていて、もう役に立たない」
これらの薬材が貴重で、丹術に使えるのは、薬材自体の薬効ではなく、これらの薬材が霊韻を持っているからだった。
人參や霊芝などの薬材はとても特殊で、天地の霊気を吸収して霊韻を形成することができ、年月が長いほど、霊韻は自然と豊かになる。
霊韻を生み出すことができる植物は、霊薬とも呼ばれる。霊薬の採取や保存はとても慎重に行う必要があり、そうでなければ霊韻が破壊され、ただの普通の薬材となり、丹術には使えなくなる。
この霊芝の霊韻は破壊されており、蘇乘羽にとっては役に立たなかった。