第268章 四品の威力

徐陵山は食堂で騒ぎがあると聞いて、すぐに出て対処しようとした。

「こちらの方、私に何かご用でしょうか？少し話をしましょう。お客様の食事の邪魔にならないように」と徐陵山は言った。

黒鴉は冷たく尋ねた。「あなたは蘇乘羽とは親しい友人だと聞いていますが？」

徐陵山は笑って言った。「私がどうして蘇さんの友人になる資格があるでしょうか？蘇さんは私の恩人であり、最も尊敬する人物です」

「それなら間違いない。黒龍商会を代表して来た。蘇乘羽がどこにいるか教えろ、さもなければ死ぬことになる」

黒鴉は無駄話をせず、殺気を放ちながら言った。

徐陵山はそれを聞いて心に驚き、表情を引き締めて言った。「蘇さんがどこにいるか知らないだけでなく、たとえ知っていたとしても、あなたには絶対に教えません」

徐陵山は蘇乘羽が玉景庭園に住んでいることを知っていたが、死んでも蘇乘羽を裏切るつもりはなかった。

「なかなか義理堅いじゃないか。どこまで強情を張れるか見てみよう」

黒鴉はそう言うと、すぐに徐陵山に手を出した。徐陵山は黒鴉の前では蟻同然で、何の抵抗もできず、黒鴉に捕らえられてしまった。

黒鴉の手に冷たい光が走り、徐陵山の左手の小指を切り落とした。

徐陵山は男らしく、指を切られる痛みにも悲鳴を上げず、歯を食いしばって耐えた。ただ額に青筋を浮かべ、顔を歪め、極度の痛みに耐えていることが明らかだった。

「口だけでなく、骨も硬いじゃないか！それなら指を一本ずつ切り落として、どれだけ耐えられるか見てやろう」

黒鴉はさらに徐陵山の指をもう一本切り落とした。食堂の客たちはすでに恐怖で逃げ出し、混乱の中を出て行った。厨房からは数人のコックが包丁を持って飛び出してきて、黒鴉と命がけで戦う構えを見せた。

これらの人々は皆、徐陵山と共に裏社会で生きてきた仲間たちだった。徐陵山が足を洗った後、この食堂を開き、仲間たちも自然と足を洗い、料理の腕を磨いていた。

「山兄を離せ！」

「お前たちには関係ない、構うな、全員厨房に戻れ！」徐陵山は怒鳴った。

黒鴉は軽蔑的に冷笑して言った。「蟻の群れが、象を動かそうというのか？死にたい奴は来るがいい」

「兄弟たち、恐れるな、一緒に行くぞ、山兄を救おう！」