仙神が退き、凡界は平和になった!
一瞬にして、人間界は笑顔に満ち溢れ、玉清聖宗は特に歓喜に沸き返り、賑やかさは格別であった。
韓絕は弟子たちと少し話をした後、先天洞府に戻った。
この戦いから、彼は多くを学んだ。
【大神様の好感度が上昇し、現在の好感度は3星です】
【文曲星の憎悪度が低下し、現在の憎悪度は1星です】
【帝太白があなたに好感を持ち、現在の好感度は2星です】
【雷神があなたに好感を持ち、現在の好感度は2星です】
【書金星があなたに好感を持ち、現在の好感度は1星です】
【神蓬元帥様があなたに好感を持ち、現在の好感度は1星です】
……
韓絕の目の前に次々とメッセージが表示され、その大半は好感度に関するものだった。
仙神たちは愚かではない。韓絕の実力は次期大神將様になるに相応しく、自然と皆が彼に近づこうとしていた。
もちろん、密かに嫉妬する仙神もいたが、韓絕が彼らの好感度や憎悪度を感知できるとは思いもよらなかった。
韓絕は心を落ち着かせた。
今日の戦いで、自分の不足を認識した。
以前は境地を超えて一撃で倒せたのに、今は戦いに時間がかかるようになっていた。
龍善は確かに並外れた存在で、天庭の天の寵児であったが、それでも韓絕は不安を感じずにはいられなかった。
このままではいけない!
自身の実力を高めなければならない。
境地が上がるにつれ、同じ境地の者との差は必然的に小さくなる。韓絕は今後、同じ境地の敵すら倒せなくなることを望まなかった。
そう考えると、韓絕は気を引き締めた。
もっと努力しなければ!
……
時は流れ。
天兵天將が撤退してから、十年が経過した。
人間界は平和を取り戻し、魔道はほぼ姿を消した。先の魔族の件で天庭が人間界を粛清したため、正道と妖族は共に魔道を憎み、魔道も仙神を恐れ、魔道の者たちは次々と改心していった。
玉清聖宗は仙神と対峙したのが韓絕だと知り、この事実は天下に広まり、韓絕の肖像画と神像が全土に広がった。
もちろん、絵は正確ではなく、神像も韓絕の実際の姿とは大きく異なっていた。
この十年間、仙神は再び下界することはなかった。
韓絕もまた十年間、安心して修行に励んだ。
この日。
紀仙神さまが訪ねてきた。
二人は小さな森で会った。
「飛昇するのか?」韓絕は驚いて尋ねた。
紀仙神さまは頷いて言った。「仙神の劫も過ぎ去り、もはや凡界に留まる必要はない。それに、私はお前とは違う。凡界に留まる手段も持っていないし、お前の弟子になりたくもない。」
韓絕は黙った。
紀仙神さまは尋ねた。「お前はいつ飛昇する?」
韓絕は答えた。「様子を見てからだな。」
天庭に入れば兵となり、面倒なことこの上ない。
紀仙神さまは鼻を鳴らした。「では私が先に天庭で地位を築いておこう。後でお前の面倒を見てやる。」
言い終わると、後悔した。
今や韓絕の強さは計り知れず、たとえ飛昇しても、彼を超えることはできないかもしれない。
いや!
そんな考えは捨てるべきだ!
必ず彼を超えてみせる!
私は最強の存在となるべく生まれてきたのだ!
紀仙神さまの目は決意に満ちていた。
韓絕は笑って言った。「では前途を祝福しよう。」
紀仙神さまの気分は良くなり、尋ねた。「方良はいつ飛昇するのだ?」
「様子を見てからだな。」
「そうか。」
二人は沈黙に陥った。
最後に、紀仙神さまは去っていった。
韓絕が立ち去ろうとした時、突然目の前に一人の人物が現れた。
天帝様だ!
韓絕は驚いて後ずさった。
天帝様の顔は常に記憶に留めていた。やはり大物だ。
天帝様は韓絕と同じ背丈で、白い衣を纏い、アイコンほどの威厳はなく、むしろ儒雅な雰囲気を漂わせていた。
韓絕は深く息を吸い、落ち着こうとした。
天帝様は彼に3星の好感度を持っているのだから、害を加えることはないはずだ。
天帝様は微笑んで言った。「韓絕よ、朕が善児をお前に向かわせた時、全力を尽くし、お前を殺す覚悟を持って戦うよう命じた。」
韓絕は黙って彼を見つめていた。
「朕は本当にお前を殺させるつもりではなかった。ただお前の潜在能力を見極めたかっただけだ。お前は朕の期待を裏切らなかった。」天帝様の笑顔は温和で、圧迫感は全くなかった。
韓絕は驚いて尋ねた。「私に期待を?」
天帝様は両手を背後で組み、笑って言った。「お前は並外れた存在だ。太乙道を修めていないにもかかわらず、多くの大気運者を引き寄せ、我が天庭の掃き星さえもお前の弟子となった。おそらく朕にも見通せない命數を持っているのだろう。」
韓絕は内心驚いた。
しかし考えてみれば、当然のことだった。
天帝様がどれほどの存在か、どうして蘇岐の素性が分からないはずがあろうか?
「お前は面倒を避けたいがために、天庭入りを故意に引き延ばしているのではないか?」
「まさか。」
「朕はお前の一生の因果を観察した。極めて少ない。お前が交際した人数は凡人の一生で交際する人数よりも少ない。朕は興味を持ち、お前の前半生を推算してみた。まさか幼い頃から修行に励む変わり者だったとは。」
変わり者?
韓絕は侮辱されたように感じた。
天帝様は笑って言った。「もしお前が天庭に入りたくないのなら、面倒に巻き込まれたくないのなら、それでも構わない。」
韓絕は呆然とした。天帝様は彼を見逃すつもりなのか?
「朕はお前に赤雲仙人の代わりとなってもらい、この凡界の仙官となってもらいたい。どうだ?赤雲仙人については、朕は汝らの関係が良好なことを知っている。彼も昇進する。普段は仙神に邪魔されることもなく、待遇は善児と同等の修行資源を与えよう。お前が強くなれば、天庭の第二の大神將となることもできる。」
赤雲仙人の代わり?
韓絕は心を動かされた。
天帝様は続けた。「普段は凌霄寶殿に参内する必要もない。朕は人を遣わしてお前と会わせる。何か要求があれば、その者に助けを求めればよい。朕は天帝なのだから、常にお前のことばかりに気を配ることはできないからな。」
韓絕は言外の意味を察し、慎重に尋ねた。「つまり、私を隠しておきたいということですか?」
この待遇は申し分なく、韓絕の意にも適っていた。
しかし別の角度から見れば、権力と名声を求める機会を奪われるということでもある。
天帝様は平静に言った。「天庭の水は深く、勢力は複雑に絡み合っている。朕はお前を天庭の人間ではなく、朕の人間として欲しい。承知するか?」
韓絕は愚かではない。これは陣営選びの問題だ。
もし断れば、死は免れないだろう。
それに、天帝様は誠意を持って接し、遠回しな言い方もせず、韓絕の好みに合っていた。
天帝様について行けば、悪くはないはずだ。
韓絕は言った。「もちろん承知いたします。正直に申し上げますと、私が飛昇を躊躇っていたのは、上界に後ろ盾がないからです。私には多くの敵がおりますので。」
天帝様は意味深な笑みを浮かべて言った。「お前が彼らの凡界での手先を殺したことについてか?」
「今日からお前の最大の後ろ盾は朕となる。朱雀一族も嶼龍仙島もお前を困らせることはないだろう。もちろん、お前も朕に面倒を起こしてはならない。他人が仕掛けてきた場合は別だがな。それと、朕とお前の会話は他言無用だ。赤雲仙人にも話してはならない。」
天庭の主がここまで秘密を守るとは、天庭の水は本当に深いものだ。
韓絕は頷いて言った。「ご安心ください。私の人となりは、きっと私の前半生からお分かりのはずです。」
【天帝様の好感度が上昇し、現在の好感度は4星です】
天帝様は右手を上げ、掌の中に一つの巻物が浮かび上がった。
「これは天庭の剣道の伝承だ。お前は気に入るだろう。」
韓絕が巻物を受け取り、何か言おうとした時、顔を上げると天帝様の姿はすでに消えていた。
さすが無量大帝さま、まさに神出鬼没!
韓絕は巻物を開き、最初に目に入ったのは四文字。
通天剣道!