第36章 無二閑庭

小院の外から、突然聞こえた声に、紫菱と南風は顔色を変えた！

「まずい！石泰長老の声だ……」

南風は重々しく言った。彼女たちを殺すために、まさか至尊までが直接動くとは思ってもみなかった。

もし李先輩がここにいなければ、彼女たちは死を待つしかなかっただろう。

紫菱も緊張した様子で、李凡に向かって言った：「師匠……私たちを捕まえに来たんです！」

李凡も少し不思議に思った。この愛好家たちの団体が、なぜこんなに凶暴なのか？

すぐに殺すだの生かすだのと。

「心配ない、彼らと道理を話し合おう」

しかし李凡は比較的冷静で、尋ねた：「来た人たちは、それぞれ何を学んでいるのだ？」

南風が答えた：「石泰長老は書道に精通しています。一緒に来たのは恐らく鐵銘長老で、鐵銘長老は音律に精通しており、彼の楽器は一本の笛です！」

李凡はそれを聞いて、微笑んだ。

音律？書道？

これは本当に彼の手の内に飛び込んできたようだ。

「分かった、少し待っていてくれ」

彼はすぐに書斎に入った。

書斎から筆墨紙硯などを取り出し、そして一本の笛を持って出てきた。

彼は墨を磨り、そして筆を執った。

その筆は古めかしく、世に存在してどれほどの年月が経っているのか分からない。筆の軸には、かすかに「帝機」という二文字の古字が見えた。

筆先が瞬時に宣紙に落ちた！

銀鉤鉄画！

傍らで、南風と紫菱は瞬時に顔色を変えた！

彼らには明らかに感じられた。この瞬間、小院全体に道の韻が漂い、その一筆が下りた時、まるで大道レベルを揺り動かしたかのようだった！

「なぜか、師匠が手に持っているのは、筆ではなく……一振りの世にも稀な神劍のように感じます」

紫菱は呆然としていた。

「筆を執る時に大道レベルが共鳴する、これは一体どのような境地なのだろう？」

南風もつぶやいていた。

しばらくして。

李凡はようやく筆を置いた。

真っ白な宣紙の上には、すでに四文字が書かれていた：

「無二閑庭！」

無二閑庭！

一文字一文字が極めて精妙で、一分一毫も改めることができないほどだった。

李凡は言った：「紫菱、この書を院門の上に掛けてくれ」

これまで、彼はまだ自分の小院に名前を付けていなかった。