第54章 新しい任務

玄天界の諸雄、無数の聖主と至尊たちは、この時、驚きの目で慕千凝たち三人を見つめていた。

この三人は大乗期の修為に過ぎず、尊者にすら至っていないのだ！

確かにその二人の女性は若く見え、大乗期に達していることは絶世の天才と言えるだろう。

だが、南域全体を従えるとは？

これは恐ろしすぎる。

もし他人の口から出た言葉なら、誰もが荒唐無稽だと思うだろう。しかし今、直接語ったのは靈超だった。

太衍聖地の聖主その人なのだ！

「そんなことがあり得るのか。たかが三人の大乗期修行者如きで、南域全体を従えられるとでも？」

「ふん、靈超聖主は我々を愚弄しているのか？」

「堂々たる南域が！まさかこんな有様になっているとは？」

皆が次々と口を開き、全く信じられない様子だった。

羅浮聖主も思わず笑みを浮かべ、否定も嘲笑もせずに尋ねた：「この三人は、どのような経歴の持ち主なのでしょうか？」

慈航聖主、空明聖師らも、厳かに答えを待っていた。

彼らにとって、靈超のような人物が軽々しく発言するはずがない。天下の群雄の前でこのように言うからには、必ずや理由があるはずだ。

特に、今このような重大な時期において、何が起こってもおかしくないのだ。

しかし靈超聖主は首を振り、言った：「皆様、詮索なさらないでください。私がお伝えできるのは、南域が直面している災厄は、西漠、北域、中州などの地よりも早く、もしこの三人がいなければ、南域はとうに完全に滅びていたということです。」

当時、火靈兒たちが李先輩の書を携えて真仙を鎮圧し、南域連軍全体を救ったのだ。

これを聞いて、皆の表情は一層引き締まった！

しかし、靈超たちがこれほど口を閉ざすほどに、多くの聖主、至尊たちの好奇心は高まるばかり！

「ふん、私が思うに、今や玄天界の存亡の危機に直面している。どのような者であれ、その経歴を明らかにして、皆の安心を得るべきではないでしょうか。」

羅浮聖主は冷笑しながら言った。

彼は疑いの目を向けていた。

「私も同感です。我々がここに来たのは、南域の同道を信頼してのことです。しかし、もし道兄たちが、この三人の真の身分さえ我々に明かせないというのなら、それは余りに遠慮しすぎではないでしょうか？」

慈航聖主も口を開き、その言葉は最も根本的な問題—信頼—に触れていた。