李七夜のこの言葉が出るや否や、崖の上にいた全ての者の顔色が変わった。鎮威侯は寶聖上國の古い世代の王侯であり、寶聖上國において極めて崇高な地位を持つ存在だった。さらに、その道行は王侯の頂点に達しており、その実力は人々を大いに畏れさせるものだった。彼は寶聖上國において紫山候と並び称されるほどの存在だったのだ!
「無知な逆賊め、本侯が今日お前を討つ!」鎮威侯は顔色を変え、王侯である彼がいつ若輩者にこのような侮辱を受けたことがあっただろうか。これでは威名が廃るではないか。怒りに任せて、彼は李七夜に向かって一掌を放った。その大きな手は山岳のごとく、一掌で李七夜を粉砕できるほどの威力を持っていた!
「ドン」という音とともに、しかし、蝸牛の上に高座する李七夜は微動だにせず、彼が手を出す必要もなく、古鐵守が一歩横に移動し、鎮威侯の大手を阻んだ。
「鎮威侯、戦いを望むのならば私が相手をしよう。若者に手を出す必要はない」古鐵守は冷ややかに言った。
古鐵守のこの言葉に、多くの者の顔色が変わった。古鐵守がこのような言葉を発したことは、完全に寶聖上國を恐れていないことを示しており、寶聖上國の面子を潰すものだった。
周知の通り、これまで没落した洗顏古派は常に低姿勢を保ち、事を起こすことを恐れ、まして寶聖上國と衝突することなど考えられなかった。今、古鐵守が一人の若者のために何の躊躇もなく鎮威侯のような王侯と衝突するとは、これは洗顏古派の台頭の兆しなのだろうか?
「よい、よい、よい、古鐵守よ、本侯はお前の洗顏古派にどれほどの底力があるのか見てやろう。存分に見せるがよい」鎮威侯は李七夜を冷たく一瞥し、言った。「本座が古鐵守を斬った後で、お前という若輩も斬ってやろう」言い終わるや否や、空へと飛び上がった。
瞬く間に、鎮威侯と古鐵守は天空の両端に陣取り、この瞬間、双方から気血が天を衝き、壽輪が浮沈し、巨浪のような気血が絶え間なく湧き上がり、血光が吐き出され、王侯の威厳が万里を席巻した。
二人の王侯の対決に直面し、低位の修士たちは思わず震え上がった。二人は天空に戦場を開いていたが、その恐ろしい王侯の気配は、依然として人々に畏怖の念を抱かせた!