「本当に挑戦的な感じがしないな」
林亦はサッカーを終えて、伸びをしながら、教室に戻る気もなく、そのまま学校を出た。
タクシーを拾い、住所を告げると、車はSKバーまで走った。
まだ日が高く、SKバーの中にはほとんど人がいなかった。
林亦がドアを開けると、金髪の男が向かってきて、林亦を上から下まで見て、眉をひそめた。「申し訳ありませんが、まだ営業時間前です。一度外でお待ちください」
「大壯さんを呼んでくれ」林亦は彼を一瞥して、ゆっくりと言った。
「大壯さん?」男は林亦の言葉を聞いて眉を上げた。「大壯さんを呼び捨てにできる立場じゃないだろう!大壯兄と呼べ!礼儀を知らないな!余計なことを言って、自分で面倒を招くなよ!」
林亦はそれを聞いて、目を細め、この男を見つめた。
「にらみ返すのか?」
男が怒鳴り声を上げたが、反応する間もなく、体が宙に浮いたような感覚を覚え、次の瞬間には遠くまで飛ばされ、数台のテーブルを倒していた。
バーテンダーたちはこの状況を見て、顔色を変えた。
すでに誰かが大壯さんを呼びに走っていた。
林亦は勝手に椅子を引いて座った。
「誰が俺の店で暴れてるんだ!」
すぐに大壯さんの声が聞こえ、五人のがんじょうな男を連れて、バーの奥の部屋から飛び出してきた。
前回、周天陽が林亦にボコボコにされた後、彼の部下は全て一掃され、この場所は再び大壯さんの手に戻っていた。
この数日間、大壯さんは思いのままの生活を送っていた。
さっきまで大壯さんはママと親密な時を過ごしており、ズボンも脱いで、あと一歩というところだったが、突然ドアをノックされ、暴れている客がいると告げられた。
大壯さんはすぐにズボンを引っ張り上げて出てきた。
「なかなかいいじゃないか、数日会わないうちに、威厳が増したようだな」林亦は座ったまま、テーブルの上のグラスを弄びながら、冷たい表情で言った。
大壯さんは林亦を見て、最初は驚き、そして顔色を変え、急いで駆け寄り、へつらうような笑顔を浮かべた。「あぁ、九玄兄さん!どうしてここに?」
大壯さんは林亦に向かって走ってきたが、林亦から三歩ほどの距離で、林亦が突然立ち上がり、誰も反応できないうちに、逆手で一発、大壯さんの顔を平手打ちした。