藤堂澄人は席に戻り、シャツの襟を引っ張りながら、ソファに身を預け、手に持ったお酒を一口一口と飲み干していった。
90度のグレナダラムを湯水のように、命知らずに飲み続けた。
田中行は見かねて、彼の手からお酒を奪い取った。「胃が悪いんだから、もう飲むな」
藤堂澄人は酔いで赤くなった目で、田中行を冷たく一瞥したが、何も言わず、取り返そうともせず、テーブルの上の別のボトルに手を伸ばした。開けようとした瞬間、また田中行に奪われ、床に叩きつけられた。
「もういい加減にしろ!離婚したぐらいで、殉情する必要があるのか?諦められないなら彼女を追いかければいい。プライドが邪魔なら、それは自業自得だ」
藤堂澄人は酔いで朦朧とした目で田中行を見つめ、突然笑みを漏らした。
ソファの背もたれに頭を預け、天井を見上げながら、一呼吸一呼吸を繰り返し、まるで眠ってしまったかのように静かだった。