「でも誰がやったのは誰がやったことで、私は道乃琪の罪を被るつもりはないわ」と道乃漫は言った。
「お前が行かなければならない!お前の妹は人気スターで、輝かしい未来があるんだ。こんなことで台無しにはできない」と道乃啓元は荒々しく言った。
道乃漫はもう怒りさえ感じなかった。麻痺していたからこそ、怒る気力もなかった。
目の前のこの人たちは、誰一人として彼女の家族ではなかった。
血のつながった親族ではあるが、家族ではない。
「じゃあ私が台無しになってもいいの?」と道乃漫は皮肉を込めて尋ねた。
道乃啓元は最初まだ少しの後ろめたさを感じていたが、道乃漫を見るたびに、最も思い出したくない過去と、道乃琪がまだ正式な家族として認められていないことを思い出し、最後の後ろめたささえも消え去った。