051 魅力で彼女を征服しよう

「ふん」神崎卓礼は座り直し、襟元を整えながら言った。「俺はこんなにイケメンなのに、どうして無関心な人がいるんだろう？」

「おや！」真崎景晟は急に興味を示した。「ターゲットができたのか？誰だ？どんな感じ？写真はある？」

「ない」神崎卓礼は彼の相手をする気もなく、绫濑恬乃に尋ねた。「女性って、どんなタイプが好きなの？」

「私が全ての女性を代表できるわけじゃないわ」绫濑恬乃は真崎景晟を見つめ、目に愛情を湛えながら言った。「でも私は真崎兄貴みたいな人が好きよ。成熟していて、落ち着いていて、軽薄じゃない人」

彼はまるで狼のように彼女という白うさぎを巣に連れ帰ったけれど、彼女は喜んでついていったのだ。

「女性が好む男性のタイプは様々だけど、嫌うタイプはだいたい同じよ。軽薄で、最初から体に触ろうとする人。それは好意じゃなくて、ただのセクハラ。そういう男性は人を尊重していないから、好かれるはずがないわ」

神崎卓礼は胸がドキッとして、自分も確かに間違いを犯したと思った。

でも最初のときは、道乃漫が自分から飛び込んできて、キスしてきたんだ。

彼の様子を見て、绫濑恬乃は何か行き違いがあったことを悟った。

神崎卓礼は外では喜怒哀楽を表に出さないが、友人といるときは素の自分を隠さない。

绫濑恬乃は言った。「その子のことが好きなら、真剣に向き合わないと。最初から親密になろうとせずに、ゆっくり進めていくべきよ。あなたの魅力で彼女を魅了していくの」

神崎卓礼は悟ったように頷いた。「うん、わかった」

***

道乃漫は病室で昏睡中の夏川清未を見守る一方、道乃啓元、夏川清翔、道乃琪は車の中で家路についていた。

夏川清翔は先ほど病院で気が緩んで、自分を隠せなかったことを不安に思っていた。

「啓元、あなた...私のことを怒ってるの？」夏川清翔は恐る恐る尋ねた。まだ心の中に不満を抱えながら、夫を天とする妻らしく道乃啓元の腕を掴んだ。「私はただ、あなたと琪のことを悪く言われるのが耐えられないの。私のことを言われても構わないけど、あなたたちのことは駄目。あなたたちはこんなにも素晴らしいのに、何一つ間違ったことなんてしていない。あなたたちは無実なのに、どうして彼らはそんなことが言えるの？」