063 夏川清未の命を救うお金を盗ませたのは、彼女と道乃琪が考えた策だった

泥棒はますます憎しみを募らせた。そうだ、全ては夏川清翔のせいだ。

しかも証拠を記録し忘れてしまった。

でも納得できない。自分が悪いからって、なぜ黒幕の悪人が良い目を見ていいんだ?

夏川清翔だって自分と同じくらい悪い、どっちも善人じゃない!

突然、泥棒は道乃漫を見上げ、憎しみに満ちた目で「夏川清翔はろくでなしだ。でもお前も同じだ。約束を破った、許さないぞ。覚えておけ!」

篠崎汇人は「バシッ」と泥棒の後頭部を叩き、彼をふらつかせた。「何をにらんでるんだ!」

最初は道乃漫が夏川清翔を捕まえるために、悪人を見逃すのだと本当に思っていた。

しかし道乃漫は結局警察に通報し、篠崎汇人は道乃漫が約束を破ったとは全く思わず、むしろ更に嬉しく思った。

さすが神崎若様が気に入った娘だ。是非をしっかり分かっていて、状況に応じて柔軟に対応できる!