「早く起動して、早く起動して!」大澤依乃は小声で呟いた。時間が迫るにつれて、緊張が高まっていった。
葉月星は手に汗を握り、机の下で両手を握りしめた。「まさか何か問題が起きないように、まさか何か問題が起きないように……」
ついに、二人の実体化しそうな視線の下で、道乃漫はパソコンの電源を入れた。
モニターの起動画面の後、ダイアログウィンドウが表示され、パスワードの入力を求められた。
道乃漫はパスワードを入力し、さらに森田林の企画書のドキュメントを開き、再度パスワードを入力した。
ところが、マウスで確定をクリックした途端、パソコンから「パチッ」という音がして、突然画面が真っ暗になった。
道乃漫はモニターを押し、本体も押し、慌てて再起動を試みた。
しかし、パソコンは全く反応を示さなかった。