高木武一は道乃漫の広報力が凄いことは知っていたが、こんなやり方をするとは思わなかった。
何をするにしても、全て事前に説明し、予期せぬ事態を恐れず、計画を他人に話されることも気にしない。
それは骨の髄まで染み付いた自信だった。
「いいよ、問題ない」高木武一は即座に承諾した。白泽霜乃に本当に怒っているのが分かった。「出資者側から何か意見があっても、私が全て引き受けるから、思い切ってやってくれ」
「ありがとうございます」道乃漫は微笑んで答えた。
「そうだ、私にも考えがあるんだ。あなたはプロだから、これはどうかな?」高木武一は言った。「実は、白泽霜乃のこの行為は私をも完全に敵に回したようなものだ。彼女を後ろに置いて私を陥れさせるわけにはいかない。私の映画で彼女を売り出すつもりもない。彼女のシーンは全てカットする」