「とにかく、今は大人しくしていろ。神崎創映が仕事を与えてくれないなら、自分のファンをしっかり守るように努めなさい。違約金を払える余裕があるか、誰かに払ってもらえるなら、契約を解除して新たな道を探せばいい。それができないなら、契約期間が終わるまでじっと耐えなさい。そうすれば、まだ芸能活動を続けられる可能性がある。でも、道乃漫に手を出したら、たとえ契約期間が終わっても、神崎卓礼はあなたを芸能界から永久に追放することができるのよ!」と遠野弁護士は警告した。
村上舟翔は不満そうに口を尖らせ、「遠野兄、そんなに心配しないでよ。道乃漫は今、神崎卓礼と付き合ってるのは事実だけど、二人の関係がどれほど本気なのかなんて誰にもわからないでしょう?正直に言えば、あなたの言う通り、村上副社長があの日、道乃漫の面子を潰したとき、道乃漫は神崎卓礼の女だから、神崎卓礼が面子を失って、彼女を守るのは当然だったかもしれない。でもこれだけ時間が経っても、道乃漫との交際を公にしないということは、きっと本気ではないし、道乃漫に正式な立場を与えるつもりもないんでしょう」
遠野弁護士は少し躊躇した後、心の中で村上舟翔の言葉にもっともな点があると感じた。「それでもやっぱり、大人しくしていた方がいい。正式な立場を与えていなくても、道乃漫と付き合っている間は、神崎卓礼は彼女のことを好きなんだ。道乃漫に手を出すことは、神崎卓礼の面子を潰すことになる。面子のために、彼は絶対に許さないだろう」
「彼に知られなければいいんでしょう?」村上舟翔は嘲笑うように言った。「ネット上の出来事なんて、そう簡単には追跡できないでしょう。今、道乃漫は炎上中だし、その中に混ざったところで何の問題があるの?それに、ファンたちの自発的な行動なんだから、私には関係ないし、私のせいにはできないでしょう」
そう言うと、村上舟翔はファンクラブに突如現れた。
このファンクラブは選別されており、彼のファン後援会会長が直接作ったもので、中には彼の熱狂的なファンばかりが集まっていた。
「舟翔だ!」オンラインのファンたちは村上舟翔の出現を見て、一斉に興奮し、次々とメッセージを送り始めた。
管理者はグループ通話モードを設定し、村上舟翔だけが発言でき、他のメンバーはテキストのみで参加できるようにした。