だが道乃漫は実際、橘影乃とそんなことで遊ぶ気など全くなかった。
「『貪狼作戦』は興行収入が高いかもしれないけど、それがあなたとどう関係あるの?あなたが主演したわけでもないし、あなたはただの小さな脇役でしょ。私の前でどうして偉そうにしているの?」
道乃漫は言葉を失った。自分のどこが傲慢だと思われたのだろう?
道乃漫はこれ以上無駄話をする気はなく、橘影乃の肩をつかんで引き離した。
道乃漫は武術ができる。橘影乃が彼女の相手になるはずがない。
避けることもできず、小さなひよこのように道乃漫に引き離され、目の前で道乃漫が出て行くのを見るしかなかった。
なんて横柄な!
「道乃漫、何様のつもり!」橘影乃は手を伸ばして道乃漫を引き戻そうとした。
しかし道乃漫に触れる前に、手首を神崎卓風につかまれた。「頭おかしいの?」